マインドフル・トレーニングに本格的に取り組む前に、基礎である呼吸法をしっかりマスターする練習をしましょう。 1 布団かマットの上で、仰向けに横になってください。 2 お腹が上下するのを感じながら、「マインドフルな呼吸」を繰り返します。 3 15分間、根気強く続けてください。 少なくとも二週間、毎日、眠くない時間帯に行うようにしましょう。 |
1 布団かマットの上で仰向けになります。 肌寒いときは、毛布にくるまって少し暖かくします。 2 お腹が上下するのを感じながら、5〜6回、「マインドフルな呼吸」を繰り返しましょう。 身体全体が一つになり、それを皮膚が包んでいるイメージを作ります。 あなたが横になっている、布団やマットの感じも背中で感じましょう。 3 身体が深い呼吸のリズムに慣れてきたら、意識を左のつま先に集中します。 4 意識を左のつま先に集中させながら、5〜6回、「左足のつま先」を端点として深呼吸を繰り返してください。 このとき、左足のつま先で生じている感覚を感じとってください。 5 左のつま先から意識を消してください。 そのあと、「マインドフルな呼吸」を2〜3回繰り返します。 6 3〜5で、行った、「ある部位を端点とした深呼吸」の場所を、左足のつま先から、腰まで徐々にあげていきましょう。 「左足の裏」、「左足のかかと」、「左足の甲」、「左足のすね」、「左足の膝」、「左足の太もも」と、何段階も段階を踏んですすんでいきます。 7 「ある部位を端点とした深呼吸」が腰まできたら、同じことを右足で行いましょう。「右のつま先」から「ある部位を端点とした深呼吸」を繰り返します。 ゆっくり、「マインドフルな呼吸」でリフレッシュしながら進みます。 8 右足から腰まで戻ってきたら、今度は、「腰」、「腹部」、「胃」、「食道あるいは気管支」、「首」、「頭」と部位を身体の上へと移していきます。 9 頭まで来たら、今度は、「左手の指先」から、「ある部位を端点とした深呼吸」をはじめます。 今度は、「左の指先」、「左の手のひら」、「左の手首」、「左腕の肘から先」、「左の肘」、「左の二の腕」、「左の肩」と段階を踏みます。 10 意識が左肩まで来たら、同じように、「右手の指先」から、「ある部位を端点とした深呼吸」をはじめます。 11 右肩まで終わったら、再び、全身を一つにして「マインドフルな呼吸」を5〜6回繰り返します。 少なくとも1日1回、眠くならない時間に行ってください。 途中、意識が散漫になったら、途中でも「マインドフルな呼吸」に立ち返りましょう。 何も感じられなければ、それでかまいません。 「たよりがないのは、よいたより」です。 どこかの痛みが強い場合は、その痛みの中で呼吸するようにしてください。 そして、その痛みがある場所を起点として、意識を集中する部位を移動させていってみましょう。 |
さまざまな瞑想に入る前に、瞑想の基本になる「思考の放棄」のやり方をお伝えしましょう。 1 頭の中に浮かんでくることを、川の水面に浮かんでくる泡のようにとらえましょう。 あなたの頭に、考えが浮かんでくることが認識できれば成功です。 2 その泡が、川を流れていくように頭から離れていくようにイメージしてください。 考えの泡が膨らんで、ボールのようになったら、バレーのトスをするように、考えを手放してください。 考えがもっと重くなり、引きずられそうになったら、ボウリングで球を投げるときのように、思いっきり、スイングをして考えを放り投げましょう。 3 嬉しいことでも、悲しいことでも、同じ泡として捉えて、同じように手放してください。 大事なのは、「自分の考え」がもののように頭の中に存在していることを認識して、それを頭という場所から片付けることです。 |
1 背もたれのある椅子に座るか、あぐらや正座など、長時間座れる姿勢をとってください。 2 その姿勢で「マインドフルな呼吸」を繰り返しましょう。 少なくとも、10分間は呼吸を繰り返してください。 3 深呼吸をしていて、頭の中に浮かんできたことがあったら、考えを手放すようにしましょう。 浮かんでくる考えを、じっくり観察してから手放してください。 4 注意力が切れてきたら、「マインドフルな呼吸」でリフレッシュします。 毎日練習しましょう。 1日10分から、2週間毎に時間を延ばし、最終的には45分間瞑想が続けられるようにします。 そして、ボディー・スキャンでさまざまな部位に意識を集中したように、さまざまなことに意識を向けては、浮かんでくる考えを手放します。 ・「私」を主語とする、自我の強い考え ・「良い」「悪い」といった、自分の人生を評価する考え ・過去や将来に対する考え ・怒り、嫌悪、憎悪、拒絶といった、マイナスの感情に関わる考え ・心の中を行き来する感情や気分 |
次に紹介する動作を、「マインドフルな呼吸」を10〜12回繰り返しながら行います。 ゆっくり身体を伸ばしましょう。 自分のできるところまで身体を伸ばし、身体と一緒に心ものびていく感覚を味わってください。 1 両足をつけて立ち、首をぐるっと回し、逆方向にもう一度回す。 2 両肩を耳のあたりまで持ち上げ、力を抜きながら下ろす。 3 肩胛骨をぎゅっと真ん中に寄せ、力を抜く。 4 両腕を頭の上に上げた状態で、両親指を引っかけてつなぐ。 5 両手の指先をつま先に向けて両腕を下に垂らし、無理に力を入れずに背筋を伸ばす。 6 両腕をまっすぐに伸ばして、指先を天井に向ける。 7 身体をゆっくりと左の方に傾けて、身体の右側を伸ばす。 8 身体をゆっくりと右の方に傾けて、身体の左側を伸ばす。 9 まっすぐに立ち、両腕を前に向かってまっすぐに伸ばす。 10 両膝を曲げる。 11 両腕を肩から前に伸ばしきり、指先が天を指すまで両腕をゆっくり持ち上げる。 12 ゆっくり背中を曲げながら、両手の指先がつま先を向くまで、腕をまっすぐなまま、下に下ろす。 13 しばらくのあいだ、上半身を垂れ下がったままにする。 14 ゆっくり両腕を持ち上げ、背中を伸ばす。 15 胸をそらせて、両腕を身体の側面につける。 全ての動作が終わったら、仰向けに横になって、「マインドフルな呼吸」を繰り返し、ゆっくりと休んでください。 できない動作があれば、飛ばしてかまいません。 ヨーガに本格的に取り組む場合、理学療法士や、トレーナーなど専門家の先生についてもらいましょう。 ストレッチやマッサージなど、身体の筋肉をのばす作業を我流で行うと、かえって身体を傷つけることがあります。 瞑想法は、「ボディー・スキャン」や「歩行瞑想」をはじめ他にも存在するので、無理をしないようにしてください。 |
1 歩いているところを誰かに見られても気にならない散歩道や、自分の部屋に向かいましょう。 2 視線を前へ固定しましょう。 何かを注視する必要のない場所を選んでください。 3 「マインドフルな歩行」を少なくとも10分間続けます。 ゆっくり歩くときは、一歩一歩の足の裏の感覚を、速く歩くときは身体全体の動きを感じながら歩きましょう。 自分が最高に集中できる速度で歩いてください。 ふだんより、少しゆっくりとした歩調になるはずです。 歩行瞑想として取り組む場合、目的地を特に定めない方が効果が上がります。 |
心をリラックスさせるために、音楽を効果的に用いましょう。 0 心にもたらすものとして音楽を分類すると、次の4種類に分かれます。 明るく穏やかなJポップなど、心の中にある愛や満足感といったやさしさを生み出してくれる楽曲です。 心の静けさと荘厳な感覚をもたらしてくれます。 活気のある音楽で、マイナスのエネルギーをプラスに変換する楽曲です。 フラストレーションや負の感情がたまったら、これらの曲を聴いて身体から発散させましょう。 聖歌隊の歌声や、聖歌、オペラ歌手の熱唱など、スピリチュアルな感覚を活性化してくれる楽曲です。 聴いていて、疲れていた心の中が元気になってくる曲です。 たくさんの音楽が短い時間で切り替わる、メドレーや、転調の多い楽曲です。 音楽の切り替わりと友に、あなたの気分も移り変わっていくことでしょう。 1 幅広く、世界中の音楽を聴いてみてください。 ラジオの音楽番組をつけてみるのもいいでしょう。 あなたに音楽の好みの傾向があれば、その中で多くの曲を聴くようにします。 2 一つの曲を徹底的に聞き込みます。 瞑想のように、最初に感じる抵抗感がなくなるまで集中して聴いてください。 おなじみの曲でも、新しい曲でも、全身全霊で聴いてみましょう。 3 自分の持っている楽曲を0で示した4つのタイプに当てはめます。 それぞれのタイプに対応したプレイリストを作っておきましょう。 |
1 ポータブル音楽プレーヤーに、目的にあった楽曲のプレイリストを入れて、携帯します。 合計時間が30分以上になるよう、プレイリストを組んでください。 2 身体を大きく動かしても気にならない場所へ出かけます。 自分の部屋で行う場合、布団や座布団を敷いて、振動が床へ伝わりにくくしましょう。 3 音楽に合わせて、身体を動かします。 リズムに合わせて、ステップを踏んだり、身体を揺らすだけで充分です。 プレイリストの曲が流れている間中ずっと、「今」流れてくる音楽に合わせ、身体を動かしてください。 4 プレイリストの演奏が終わったら、5分間、横になって休みます。 「マインドフルな呼吸」を繰り返し、しっかり身体をいたわってください。 「ノリノリでカラオケを行う」「アカペラを行う」など派生形が色々考えられるトレーニングです。 周囲をほどほどに気にしながら、しっかり取り組んでみてください。 |
1 3粒のレーズン、あるいはグミを用意します。 かめばかむほど味わいが出るものを準備してください。 UHA味覚糖の「シゲキックス」などがおすすめです。 2 最初に、レーズンやグミをじっくりと観察します。 生まれてはじめてみるかのように見つめましょう。 3 レーズン、あるいはグミをつまみ、その感覚を確かめます。 つまんだものの色や表面の状態に注目しましょう。 4 しばらく、レーズン、あるいはグミの匂いをかぎます。 5 レーズン、あるいはグミを、ゆっくりと唇にのせます。 口に持っていくための腕や手の動き、心が食べ物を期待して唾液を口内に供給するのを感じとりながら、じっくりと行いましょう。 6 そのまま、レーズン、あるいはグミを口にいれ、ゆっくりをかみしめます。 一粒のレーズン、あるいはグミの、本当の味を確かめましょう。 7 充分にかんだら、飲み込んだものを、喉に飲みくだす感覚を確かめながら飲み込みます。 マインドフルネス・トレーニングとして「ボディー・スキャン」と並んで基礎的で、かつ有名なトレーニングです。 派生形として、「一杯の紅茶やコーヒー、水を『違いがわかる人』のようにゆっくりと飲みほす」トレーニングがあります。 おなかやお財布にあわせて、いろんなものをじっくりと味わってください。 |
日常動作を、ゆっくり丁寧に、その動作のためだけに行ってみましょう。 たとえば、洗濯物を丁寧に畳んだり、干すときにはたいてからにしてみましょう。 洗顔・歯磨きを丁寧にしてみたり、ゴミを出すとき、丁寧に包装と中身を別々してみたり。 掃除をなかなか手の届かないところまできれいにすることもできます。 食事を丁寧に、味わいながら行うのもおすすめです。 QOLが著しく上がるため、執筆者としてはおすすめのトレーニングです。 これを行う場合、習慣のようにしてしまうとよいでしょう。 |